前回、貯蓄の三日坊主にならないための方法、その一例を紹介した。
それは、金のかからない趣味などに時間と労力を注いでいるうちに、いつの間にか金を使わない習慣が身についている、そういう状況を目指すというものだ。
この、「いつの間にか」というのがけっこう重要なポイントで、貯蓄がうまくいっている人ほど、そのための状況設定がしっかりとできている。
たとえば、家賃やネット基本料などの固定費を低く抑える、というポピュラーな手法も、この部類に入ると言えるだろう。
月々の支払い、それも自動で引き落とされる類いのものをあらかじめ抑えておくことで、いちいち不満と向き合うことなく、生活費のようなわりと大きめのコストを引き下げられる、というわけだ。
貯蓄がうまい人というのは、なにも特別に我慢強いというわけではなく、むしろ、我慢しなくてもいいやり方をうまく選んでいる、と見るべきだ。
低コスト体質、つまり何事も低コストで済ませてしまう習性もその一環で、倹約を日常的なものとし、負担がかからないようにしている。
だから長続きするし、しょっちゅう結果を気にして預金通帳とにらめっこするなんてこともない。
ちょっと大げさに言えば、貯蓄ができる人にとって、貯金というのは頑張ってするものではなく、いつの間にか勝手に増えているもの、なのだ。